FC2ブログ

リリカルなのはの百合二次創作ブログ。GLなので苦手な方はUターン。※たまに原作沿いなものもありますが、基本原作無視です。パラレルが多め。どちらかというとフェイなのです。

短編です

少し前まで空梅雨かと思いきや台風が連続して来て、ようやく梅雨だなと実感中。
うち辺りは少し雨が強いくらいで台風の影響もまったくといっていいほどありませんでした。あったとしたら台風一過の恩恵を受けたくらいです(笑)

さてSS、なのはくんはもう少しお待ちください。

Endless Chainのあとがき記事にてちらっと書いた「なのはを9歳にしとけばよかった」からの派生ものになります。
だからなのはさんは9歳、フェイトさんは16歳。
そしてほのかさんがちょこっと下さったネタを織り交ぜた結果がこれです。
長編後の後日談的SSです。
続きよりどうぞ。





「よし、異常なし。お疲れ様、これで通院は終わりです。だけど何か少しでもあったときにはすぐに来るようにね」
「はい、ありがとうございました」

退院から半年続いていた通院もようやく経過完了を告げられほっと一息、担当の先生にぺこりと頭を下げて私、フェイト・テスタロッサは病院を後にする。
なんだかんだ長く過ごしていた病院にこう頻繁に来ることももうないのだな、と少々感慨深く思うような、思わないような。
先生の話によると9歳のとき事故に遭った私はそれから7年もの間眠りに付いていたとの事らしい。期間でいえば随分長いけれど私の記憶は目覚めてから1年くらいのものしかないから、起きてみたら身体が成長していたことに驚いたものだ。

(……まぁまったく記憶がないわけじゃないけど、これは私の夢でしかないもんな)

寝ている間に見ていた現実じゃない、ただの夢、もしくは過去の記憶……それもちょっと曖昧なんだけど。
後遺症なのかどうも9歳前後の記憶がなんだかあやふやになってるんだよね、母さんと姉さんがいたのは間違いないけど他に仲良くしてくれていた年上の人たちが何人もいたような気がする。けれど俗にいう転勤族だったから同じところに長くいたことはないし、昔の私は……今もあまり変わらないけど、人見知りをよくしていたから年上とはいえ仲の良い人がそんなにたくさんいたとは思えない。
……自分で言っててちょっぴり悲しくなるけど。
でもその中で一人、同じくらいの子がいたのははっきり覚えている。どこで出会ったのかは分からないけれど今は私と同じ16歳くらいだよね、同じ学校にいたりしないのかな。
短めのツインテールの、笑顔が可愛い子。名前は確か――

「あ、ごめんなさいっ」
「――なのは?」

突然立ち止まってしまったせいかぶつかってしまった女の子、わざわざ振り返って頭を下げたその子に思わずと口から零れ落ちた夢の中で仲の良かった女の子の名前に、急いでいるのか駆け出そうとしていた女の子が足を止めて私をじっと見てきた。
リボンで結ばれたぴょこんとしたツインテール、明るい亜麻色の髪、蒼い瞳。見れば見るほどによく似ていて、曖昧にぼやけていた夢の女の子が目の前の子に摩り替わってしまうようで慌てて頭を振る。

「あ、ご、ごめんなさい、私が知ってる子に似てる気がしちゃって」

あわあわする私にその子はきょとんとしていた顔を微笑みに変え、落ち着いてというように私の手をぎゅっと握り締めた。い、一応見た目だけでいうなら私の方が年上なんだけど。

「にゃはは、大丈夫ですよ。実は私もなのはって言うんです、お姉さんは?」
「わ、私はフェイト。フェイト・テスタロッサです」
「にゃはは、私の方が年下なんですし畏まらなくて良いですよ、フェイトさん」
「ぁ、それなら君……なのはも敬語とか使わないで。さん付けも止めて欲しい、んだけど……ダメかな?」
「ぇ、じゃ、じゃあフェイト、ちゃん?」
「うん」

あ、思わずほんわりしてしまったけど、何で自分の名前を知ってるの、とか似てる人ってどんな人とか聞かれたらどうしよう。
今さらそのことに気が付くけれど、残念ながらここでのらりくらりと上手く誤魔化して立ち去る方法を知らない私はどうしようかまたおろおろするばかりだ、何でこの子から去ってくれないんだろう。

「あのフェイトちゃん、時間ある?」
「え?」
「時間あるならちょっと一緒に来てもらっていいかな?」

おいでおいで、とまるで友達を誘うように手招きするなのはの口調は何か抗えないようなものがあり、けれどどこかでそれを心地良く思いながら私はなのはの後をついて行った。





なんとなし会話もそこそこに連れられたそこの看板には『喫茶・翠屋』とある。店内には高校生くらいの子がちらほらと見えるものの、私ひとりなら確実に躊躇してしまいそうなそこになのはは平然と入って行く。

「ただいまー」
「おー、おかえり、なのは。お使い、ありがとうな」
「にゃはは、どういたしましてっ。ねぇ、お父さん、ちょっと奥の席借りていい?」
「奥? まぁ今はお客さんも落ち着いてるしかまわないぞ、アリサちゃんたちかい?」
「ううん、違うのっ。――フェイトちゃん、こっちこっち」
「ぇ、あ、うん」

お父さん、ってことはここ、なのはのご両親が経営してるのかな。テーブルを拭いているウエイトレスさんもどことなくなのはに似てる気がする。きょろきょろおどおどと一歩下がって周りをぼんやり見ていた私は、急に呼ばれひっくり返りそうな声を抑えて頷く。
ちら、と振り返ったマスターさんは小学生と高校生の組み合わせに何か思うところもあるようだったけど、何も言わずににっこりと微笑んでくれた。

「フェイトちゃん、何にする? コーヒーかな?」
「あっ、私、苦いの駄目なんだ」

奥まった席に着いた私はなのはの問いかけに正直に答える。体は大きくなっていたけれど味覚はそうもいかず、幼い頃のままコーヒーはまだ飲めない。チャレンジしてみるけどやっぱり苦くって駄目なんだよね。

「んー、じゃあミルクティーでいい?」
「うん、それなら大丈夫。ありがとう」
「にゃはは、ちょっと待っててね」

さっきのマスターさんの所に行くなのはを見送ってから、ふとマナーモードにしたままだった携帯を思い出した。そういえばお世話になっているリニスさんとアルフに通院最後の結果をすぐに教えろって言われてたっけ。
ちょい、と指先で胸元に触れながら文章を考え、それからもたもたと問題がなかったことを打ち込み、何度か読み返してようやく送信ボタンを押す。クラスメイトの子達、いや年下の子でもみんな片手でタタターと打ってしまうのだからすごいものだ、短い文章ですら私にはまだまだ難しい。

「メールしてたの?」

一息ついているとお盆を片手に持ったなのはがちょうど戻ってくるところだった。さすが手伝ってるらしいだけあり、危なげがない。

「うん、お世話になってる人に通院の結果報告をね」
「え? 通院って、どこか悪いの? 無理に誘っちゃって良かった?」
「大丈夫だよ、今日が最後だったし何もなかったよって報告だから。……ところで聞きたかったんだけど、何で私をここに誘ったの?」

なのはが置いたミルクティーを飲みながら、ほんの少しだけ疑問に思っていたことを訊ねてみる。よくよく考えてみれば名前を口にしてしまった私は不審者と思われそうなもの、それなのに誘ったのには何か訳があるのか思ってのことだ。
なのはは言いよどむように紅茶のカップに触れながら、しかし私が質問を取り下げないから観念したように口を開いた。

「……あの、なんだか以前にもフェイトちゃんと会ったこと、あるような気がして……でも変だよね。フェイトちゃんと私は6、7歳くらい違うし、私が会ってたのは同じ9歳のフェイトちゃんなんだもん」
「会ってたの?」
「ぅ、笑わないでね……本当はね。夢の中で会ってたの」
「私と、なのはが?」
「うん」
「そうなんだ」
「やっぱり、信じられないよね……」

呟くように答えてまたミルクティーを口に運ぶ私を、なのははちらちらと上目遣いに見つめてくる。そういえば夢でも私の方が高かったけどほんの少しだったし、こんな風にはっきり見上げられることはなかったな。
カップで隠すように小さく微笑んで、私も変なこと言うけど、といつものクセで胸元のロケットに触れながら前置きする。

「実は私は少し前までずっと眠っていたんだけど、その夢の中で君に出会っていたんだ。細かいことは忘れちゃったけど、一緒にいたことだけ覚えてるの。その時の私は今の君と同じくらいの外見だったんだ」
「――えっ」
「私たちはもう、出会っていたんだね」

9歳の私に会っていたなのは、9歳の姿でなのはに会っていた私。
どうしてなのか、不思議なこともあるんだとしか言えないけれど出会っていたことはきっと紛れもなく本当のこと。

「……なのは、今の私はなのはより年上になっちゃったけど、また友達になってくれる?」
「もちろん、喜んでっ! フェイトちゃんのことたくさん知っていきたいな。――フェイトちゃん?」

覗うように見れば私の言葉にきょとんとしていたなのはの顔に満面の笑みが浮かび、微かに震えていた手がなのはの小さく暖かな手に包まれた。
何故だろう、なのはが頷いてくれてとても嬉しいはずなのに、同時に何かがそっと心の中から消えてしまうようでただ私は涙を流す。

「大丈夫だよ、フェイトちゃん。私は傍にいるから」
「――、ぅん、なのは、なのは……っ」

どうしようもない感情に私はなのはの小さな体にしがみついて泣く他なかった。





fin





……あれ、何でシリアスで終わっちゃうんだろう。
ちょこっと補足するならなのはとはやてたち、どちらも思い出す可能性があった、とだけ。
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめ【短編です】

少し前まで空梅雨かと思いきや台風が連続して来て、ようやく梅雨だなと実感中。うち辺りは少し雨が強いく
プロフィール

ツバキ

Author:ツバキ
初めまして、ツバキといいます。
リリカルなのはの なのは×フェイト×なのはでSSを書く予定。
ネタばれ有り、原作無視有り
パラレルなんだと思ってください。

基本的に思ったままに書いていきます、あまり推敲なし。矛盾もあるかもしれません。

リンクフリーです。ご自由にどうぞ。
不定期な気まぐれ更新ですがよろしくお願いします。
※ありえないと思いますが無断転載禁止

※こんなの見てみたいとかありましたら言ってみてください。もしかしたら書くかもしれませんので。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター