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リリカルなのはの百合二次創作ブログ。GLなので苦手な方はUターン。※たまに原作沿いなものもありますが、基本原作無視です。パラレルが多め。どちらかというとフェイなのです。

短編[アイウタ]

恋愛ごとで押せ押せな人って書けないです。なんとなく難しいなぁ。

SS:なのはとフェイトの結婚話。だけどユーノ視点の失恋話になります、ユーノ好きな人ごめんなさい。
結婚をキーワードにリクSSとちょこっと繋がってるかも。
イメージとしてはウサギと亀。ゴール手前じゃなくてスタートした時点で休み始めてた、もしくは余裕の欠片も見せずゴールしたウサギ。どっちだろう。
微妙に長い上に中盤はかなりグダグダですが続きよりどうぞ。


「あのね、私……今度、結婚するんだ」


仕事の合間にふらりと立ち寄った喫茶店。
休暇だったんだ、という久しぶりに会ったなのはがひとりでいたのを見つけ、話し始めたのがほんの数十分前。
お互いに忙しく、なのはのことは噂や遊びに来るヴィヴィオから少し聞く程度だった。だから積もる話もあり、それがふと途切れた。なのはを見ればコーヒーカップを両手に持ち、どことなく小動物を思わせる。
……可愛いなぁ。
ひとつ片付けても、絶え間なく何倍に増えて押し寄せてくる仕事の波に埋もれつつある中の至福の時だ。
だが幸せも束の間、何かを言おうと口を開いては躊躇っていたなのはから聞かされたのはそんな衝撃的な言葉。正直、理解が追いつかない。

「――え? け、っこん……?」
「にゃはは……うん、来月なんだけどね、聖王教会で挙げるんだ。もう少ししたら招待状を贈るつもりだったんだけど、フライングってことで」

ご報告です。と照れくさいのか少し困ったように笑いながら頷いたなのはは、ふと俯くとはにかんだ。相手のことを思っているのだろう、それはとても幸せそうな、綺麗な笑みだった。

「そか。おめでとう」

そんな彼女に上手く笑い返せるはずもなく、視線を外してなのはにそう言った。
相手のことを聞く勇気も持てず。






結婚のことを聞いた僕は仕事を理由に、早々になのはと別れると無言書庫へ戻った。休憩前にせっかく減らしたというのに再び大量に送られていた調査依頼の量にため息を吐きながら、けれど気が紛れていいかと黙々と作業を進めていく。
優先順位を考えようにもほとんどクロノからのものだ、どれが早くてもそれほど差はないだろう。

「ん?」

開いた画面をスクロールしていると、中に珍しい人の名前を見つけた。フェイトからの調査依頼だ。途端、ぴたりと止まる淀みなく動かしていた手。僕は横になりかけていた体を起こした。
僕より少し遅くなのはと友達になり、だけど同性だからか僕以上になのはと親しくなったフェイト。中学に上がってからは、それぞれの部隊への配属が決まりミッドチルダに呼ばれることが増えた。もちろんはやてもだけど、なのはとフェイトの二人が一緒にいるところをよく見ていた気がする。お互いに一番の友達だから当然ともいえるけれど。
機動六課時代ではなのはと同室だったようだし、今でもヴィヴィオを養子にしたなのはたち親子の後見人を務めている関係でよく家に行っているとも聞く、羨ましいなぁ。

「……あれ?」

そこまで考えた僕は小さく声を漏らした。なのはが結婚をするということはフェイトが後見人をする必要がなくなるということになる。
当事者でない僕には結婚すると決めて出欠を求められるだけだが、フェイトは後見人をやめることになるから前々から話がされたはず。――相手のことも知っているはずだ。
思い至った僕はコンソールを開き、フェイトへの通信を開いた。

『はい、フェイトです。久しぶりだね、ユーノ。どうかした? 調査依頼のお断りかな』
「久しぶり。いや、調査の方はちゃんとするよ。それとは別でちょっと話があるんだけど、今から会えないかな?」
『今から? うーん……』

訊ねた僕に普段ならすぐに返答を返してくれるフェイトは珍しく考え込んでいる、何か用事があったんだろうか。

「あぁ、忙しいなら通信だけで構わないんだけど」
『ごめん、この後なのはと会う約束してるんだ』
「――っ」

フェイトの困ったような表情は今まで何度も見たことがあるけれど、今回のこれはいつもとは違うように見える。照れたような嬉しそうな顔に僕の中に一種の確信が浮かんだ。けれど振り払うように言葉を返す。

「そっか、なら邪魔をしちゃいけないね。楽しんでおいで、なのはによろしく」
『ふふ、もちろん。それじゃあごめんね、ユーノ。また今度』
「うん、また」

ピッ、と回線を閉じれば静寂が広がる。

――ピピッ

「えっ、わ? わわっ!」

ため息を吐こうとしたところで通信が入り、驚いた僕は無限書庫特有の無重力空間で手足をバタつかせた。ぐるん、逆さまになったところに開かれたコンソール、音声制限されていないから画面に相手が映し出された。

『やほー、ユーノくん……て、なにしとるん?』
「ああ、はやてか、久しぶり」

見られてしまったと諦めればあっさり落ち着くことが出来、体勢を整えてはやてに応える。見知った人でよかったと思うけれど、相手がはやてだということになんとも複雑な気分だ。そんなことを思っているとはやては何事か考え、そして思い至ったようだ。

『……? ははーん、ユーノくんも聞いたんやね、なのはちゃんのこと。やー、ようやくやもんなぁ。感慨深いで、ほんま』
「ようやく? もしかして結構長い間、付き合ってたの?」
『長いやろ、もう何年になるよ? 付き合い始めてやと、ひのふの……そやな、十年近いやろ」
「えっ! そんな前から付き合ってたの?」

今から十年前といったら中学生の頃じゃないか。だけど僕は肝心なことを聞いていない、……相手って、誰?

『私としては二人に会ったときから付き合ってるんやないかなって思ったくらいやけどな。って、ユーノくん、もしかしてなのはちゃんの相手のこと知らんの?』
「え、いや、その……」

的を射たはやての唐突な質問に、しどろもどろにどう答えるか迷ったけれど、見栄を張る必要なんてないしむしろ知りたいことだ。はやてを見ないままゆっくり頷いた。

『……』

けれど返って来るのは沈黙で。顔を上げるとはやては何か考えるように顎に手を当てていた。僕には言い辛い人なのかな? どちらにしろ結婚式に出席したら自ずと分かることなんだけど。

「あの、はや――」
『ユーノくん、ほんまになのはちゃんの相手、分からんの?』
「え? うん、まったく知らないよ」

掛けようとした僕の声に被せて訊ねるはやてに、どうして念を押すように聞くのか気になったけれど頷く。なのにはやてはもう一度言った。

『心当たりすらないん?』

その言い方に一瞬悩んだけれど、僕は思い当たる相手の名前を呟くように口にする。

「……フェイト……?」
「分かっとるやない、ユーノくん」
「わぁっ!?」

コンソール越しじゃない生身の声が耳元で聞こえ、思わず声を上げてしまった。
改めて自分がいる場所を思い返せば声が響きやすい無限書庫内。離れたところで作業をしていた他の司書たちがどうしたのかと顔を向けるのが分かり、慌ててなんでもないと返事をする。
ほっとしてようやく振り返ると、後ろには先程までいなかったはずのはやての姿があった。

「は、はやて? いつの間にここに?」
「元々無限書庫に調査資料を見せてもらお思て向かってたんよ。ここで話すのもなんやし、ロビーかどこかに場所移そか」

僕の驚きようが面白かったのか、悪戯っ子のように笑うはやては僕の意見も聞かないままふわりと地面に降り立つとさっさと歩いていく。慌てて近くにいた人に声を掛けて、僕も下に降りるとはやてを追いかけた。






「ほい、ユーノくん。私からの奢りや」
「おっと、ありがとう、はやて」

はやてから遅れて休憩所に着くと、自動販売機で買ったコーヒーを受け取った。あまり女の人に奢ってもらうのは男としてどうかと思うんだけど、今度ご飯でも奢ろうかな。

「早速本題、というかさっきの続きやな。気付いてなかったんか、ユーノくんは二人のこと」
「……さすがに中学生の頃から付き合ってるとは知らなかったよ。仲がいいな、くらいは思っていたけれどね」
「あの二人の仲の良さは二人が友達になってからずっとやろ。ほんまにあっちでいちゃこら、こっちでラブラブ。私は海鳴でもミッドでも、しかも小学生中学生、ちょお間が開いて機動六課時代と見とるからもうお腹一杯や」
「そうだったんだ」

心底呆れたように言うはやてだけどそれでも嬉しそうだね、と言おうとして止めた。当たり前のことだ。
僕のところにもなのはとフェイトが二人で来る機会はよくあったけれど、あまりいちゃついてるといった印象はなかった。それは僕に気を遣っていたからかは分からない、分かるとしたらはやては凄く二人に信頼されてるんだってことだ。だからこそ二人も気を許して、僕を含む周りに見せることのないところを見せていたんだろう。

「まぁユーノくんは昔っから仕事一筋やったからなぁ、気付かんくてもしゃあないかな、とは思うけどな。んで、ほんまに気付いてなかったんか」
「ぅ、ん……なのはたちが中学を卒業した後だけど、……付き合ってるように見えたことがあるよ」

いつだったか久しぶりの休みに映画を見に行かないか誘ったが、デートなんだと言われて断られたことがあった。一体誰と、と驚いたけれど相手がフェイトなのだと知り、じゃあ大丈夫だなんて高をくくっていた。二人ともちゃんと言葉の通りデートをしていたのに。
ミッドチルダでは確かに同姓婚だって認められているしわりとオープンなものだけど、地球、特に日本では眉を顰められることの方がきっと多い。

「知らない振りをしていたんだ、認めたくなくて」
「押そうとせんかったんがユーノくんの敗因やね」
「そうかもね、でも押しても無理だったんじゃないかなって思うけれど?」
「否定できんな」

慰めのないはっきりとしたはやての言葉に苦笑を返し、押せなかった理由を思い出す。
いつだって人込みに埋もれていたなのはを見つけるのはいつもフェイトが先で、どんなときもなのはは一番にフェイトを見つけていた。そうして浮かべる笑顔はとても眩しくて、それが一度だって僕に向けられたことはなかったから。

「――押せるはずがなかったよ。なのはのあんな嬉しそうな顔を、フェイトじゃなくて僕がさせることは出来ないって思っちゃったから」
「そか」

はやての短い頷きを聞いてコーヒーを呷る。しばらく沈黙が降り、はやての吐息に追いやられた。

「何事も遅すぎることはない、ゆうてもこればかりはしゃあないな」
「一ヵ月後だっけ」
「せやよ。ちゃんと出席するんやで」

主語のない、はやてのからかうような言葉に僕は曖昧に笑って返す、きっとはやては分かっているだろうけれど。








「なのは」
「あ、ユーノくん、来てくれたんだっ! もしかしたら来れないかもって思ってたから、良かった」
「確かに仕事は押してたけどね、大切な幼馴染みの門出なんだ、出席するのは当たり前だよ。綺麗だね、なのは」

なのはが着ているのは真っ白く飾りが少ないシンプルなウエディングドレス、それでも彼女の美しさはなお際立っている。出来れば僕の隣で笑っていてくれたならどれほどよかっただろうか、……なんて動こうとさえしなかった僕が言えることじゃないか。

「えへへ、ありがと」
「なのは――あ、よかった、来てくれていたんだね。久しぶり、ユーノ」

照れたように笑うなのはを見つめていると、いつの間にか隣からいなくなっていた伴侶であるなのはを探しに来たのか、彼女の後ろに立つフェイト。多分、いや間違いなくエイミィさんやはやてたちから推されたんだろう、こちらは真っ白なタキシードを身に纏っている。服装に合わせてか、いつも腰の辺りで結んであるリボンは頭の後ろ、バリアジャケット姿のときと同じ位置で結ばれていた。

「ああ、久しぶりだね、フェイト。……女性のはずなのにタキシード、随分似合っているよ。クロノよりずっと似合ってるんじゃないか?」
「それは言い過ぎだよ、ユーノ。だけど私もまさか、こっちを着ることになるとは思わなかったな」

からかうように言ってやると気まずそうにフェイトはネクタイを弄り、歪んだそれに目敏く気付いたなのはが手を伸ばして整える。

「いいじゃない、すっごくカッコイイよ、フェイトちゃん♪」
「あ、ありがとう、なのは。なのはも凄く綺麗だよ」
「へへ、ありがとっ」

僕がいることを失念してるのか、にこにことお互いを褒め始める二人。
……はやてが言ってたイチャイチャとかラブラブってこのことか。ずっと見ていて慣れたからって、これを笑って見ていられるはやては凄いと思うよ。

「……新婚でアツアツなのは凄く良いことなんだけど、僕にばかり構っていないではやてたちのところにも行ってあげなよ。ちょっと一人身には辛いかな?」

苦笑しながら言った僕に向けられるフェイトの視線には気付かない振りをして、話を逸らすように少し離れた場所に集まる元機動六課のメンバーとはやて、それからはやてにくっ付いている二人の子どもであるヴィヴィオを指差す。

「あっ、ごめんね、ユーノくん。じゃあ私たちははやてちゃんたちのところに行くけど、ゆっくりしていってね。行こ、フェイトちゃん」
「そうだね、なのは。それじゃあまたね、ユーノ」
「うん。おめでとう、なのは、フェイト。お幸せに」

その言葉を僕はきっと笑顔で、幼馴染みとして言えただろう。
軽く振っていた手をそっと降ろして、二人の指にあるお揃いの指輪を見つめる。まるで見ることが出来ない赤い運命の糸の代わりのようなそれは、しっかりと二人の左の薬指に嵌まっている。


――好きだったよ。


音にならなかったそれが、当然彼女に届くことはなく。
聖王教会の祝福の鐘が鳴り響く蒼空の下。
十年以上続いた僕の初恋は叶うことなく、静かに終わりを告げた。





fin
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ツバキ

Author:ツバキ
初めまして、ツバキといいます。
リリカルなのはの なのは×フェイト×なのはでSSを書く予定。
ネタばれ有り、原作無視有り
パラレルなんだと思ってください。

基本的に思ったままに書いていきます、あまり推敲なし。矛盾もあるかもしれません。

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不定期な気まぐれ更新ですがよろしくお願いします。
※ありえないと思いますが無断転載禁止

※こんなの見てみたいとかありましたら言ってみてください。もしかしたら書くかもしれませんので。

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